『田一枚 植えて立去る柳かな』
松尾芭蕉が立ち寄り歌を詠み、樹の精霊が住んでるが如く、里山を背に静かに佇む「遊行柳」がある芦野。
芦野という言葉の響きも手伝ってか、和の雰囲気があり風景といい、とても好きな場所です。
日本三所聖天のひとつである芦野三光寺の縁日に合わせて行われる花火大会。
派手すぎない、程よいテンポで打ち上げれる御殿山からの花火は頭上に降り注ぐかのように感じる。
お盆を過ぎ、夏の終わりが近づく切なさを締めくくるには最高のシチュエーション。
夏、里山、花火、夜祭、浴衣…。
栃木で暮らす最後の夏を、大好きな人たちと過ごす。
遊ぶ裾からこぼれる樟脳の香り。
屋台からの焼き鳥の香ばしい匂い。
風に乗って流れる花火の火薬の匂い。
生きる里山から発する土の匂い。
いろんな形の夏のにおい。
~隠居の間にて~